独歩の恋愛の舞台は、もっぱら番町麹町界隈だった。
「武蔵野」で知られる作家・国木田独歩は、銚子の生まれだが東京専門学校(今の早大)に入学するために上京。明治24年、一番町教会(後の富士見町教会)で植村正久牧師(1858-1925)によって洗礼を受ける。28年、麹町に両親と住み、佐々城信子と知り恋愛関係となる。その後、佐々城家の反対を押し切って結婚するが、わずかの期間で破たんする。この間、明治女学校に寄宿生活を送っていた相馬黒光のもとにも信子を探しに訪れている。(信子は、有島武郎の小説「或る女」のモデルともなった。)
その後、一番町の下宿では隣家の娘榎本治子に出会い、明治33年(1898)に結婚。「おとずれ」「死」などの作品には番町周辺のことが描かれている。妻の治子(1879-1962)もまた作家を志し、小説「貞ちゃん」などを書いている。
ジャンル | 作家 |
ゆかりの地(旧) | 五番町13 平河町五丁目1 |
ゆかりの地(現) | 一番町25番地 平河町二丁目11番 |
※ゆかりの地での(旧)は旧地番を表記し、(現)とはその場所の現行地番を示しています。
また、現行地番からのリンク先(既成地図ソフト利用)は、あくまでも「その周辺」とご理解ください。
参考文献: