五番町の三年坂の角には、勘定奉行で日露和親条約に調印、幕臣川路聖謨が江戸開城の翌日にピストル自殺した屋敷があった。嘉永5年、勘定奉行兼海防掛となり、翌年ロシアのプチャーチンが通商を迫った時に、長崎においてねばり強く交渉。下田で日露和親条約に調印。またアメリカ公使ハリスとも交渉した彼の生涯は吉村昭の小説『落日の宴』にくわしく描かれているが、吉村氏に「これまで書いた主人公の中で、もっとも心動かされる」といわせしめたほどの人物。幕府の崩壊は自らの消滅と知り自死したのである。ちなみに詩人の川路柳虹(1888-1959)は、彼の曾孫に当たる。
ジャンル | 幕臣・勘定奉行 |
ゆかりの地(旧) | |
ゆかりの地(現) | 五番町12番地 |
※ゆかりの地での(旧)は旧地番を表記し、(現)とはその場所の現行地番を示しています。
また、現行地番からのリンク先(既成地図ソフト利用)は、あくまでも「その周辺」とご理解ください。
参考文献: